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2007年3月18日 (日)

愛新覚羅浩の生涯~を読んで

ラストエンペラーの弟、溥傑氏の夫人、浩さんの生涯を描いた本を読んだ。2日かけて昭和の近代史にどっぷり。内容はさらりと書かれてあるのだけれど、にんともかんとも濃ゆい人生でした。気力をかなり“持っていかれ”た。まさに流転の王妃なんたる流転の人生か!

二人は「日満親善」の名のもと政略結婚をさせられた訳ですが、お二人の間に深い愛情と思いやりがあったことが端で見ているものとしてはせめてもの救いと感じる。政略結婚であっても愛で結ばれていたご夫婦といえば李王垠殿下と方子様もそうですが、互いに信頼し合ってるからこそ、時に心を打ち砕かれてしまいそうな政治的策略や人種同士の諍いなど、あらゆる壁を乗り越えてこられたのだろうな~と非常に感銘を受けるものがあります。

人間、個人対個人で向き合えば人種を超えて互いを尊重し理解することが出来るとと思うのですが、そこに国家(もしくは団体)が絡むとどうして個人的な意見、感情は全て無視され、争わずにはいられなくなってしまうのでしょうね……。

さて、本の中盤では溥傑氏と浩さんの長女慧生さんの心中事件のことに触れられている。浩さんの人生を語るにおいて決して外すことのできない事件の一つではあるのですが、しばし本編から大きく脱線して数ページが費やされている。

慧生さんは、まごうかたなき清朝の血を引くお姫様であるわけですが、ちょうど日本の女性の存在・価値観が変わろうとし始めている時代を生きた方であるためか、気高く凛とした女性という印象であるとともに、現代女性にごく近い(人間臭さ、と言う意味ね)言動や振る舞いを垣間見せてくれ、ささやかな恋の悩みや葛藤ももちろん持ち合わせているのである。同性として共感(好感よりももっと近しい想い)を抱くところが多く、どうしても感情移入をしてしまうのよねぇ。

……なので、私も脱線して(?)慧生さんのことに触れてみようと思う。

慧生さんは満州に住む親元から離れ、日本に住む浩さんのご両親=ようするに祖父・祖母=のもとで幼稚園から学習院に通うことになる。後に父である溥傑氏は叔父(ラストエンペラー)とともに捕虜となってしまうし、母である浩さんと妹の嫮生さんは監禁生活を強いられ、長く満州〔中国〕をさまようこととなる。よって十数年間、戦争に突入した日本で少女は一人で生きていかねばならなかった。例え祖父・祖母が側にいたとしても無条件で守ってくれ、甘えられるはずの親が側にいてくれないこと、まして再び生きて会えるかどうかも国家レベルで危ぶまれてるという状況は、彼女に孤独(ある種の疎外感)を心に植えつける日々であっただろうと想像する。幼い頃から自立せざるを得ないのだ、と。

終戦を迎えてようやく日本で母と妹に再会できたとき、母である浩さんから見た慧生さんは機知に富み快活なお嬢さんであったようだ。逃亡生活で疲れきった母を不安にさせないようにと自分の心に巣食っている孤独はおくびにも出さず、時にユーモアを披露して母親を安堵させているんですね。捕えられた父親の為に恩赦を求めて中国首相に手紙を書くなどの行動力をも持ち合わせている。

その堅実な慧生さんが、こともあろうに学習院大学時代に大久保武道氏と知り合い、恋に落ち、心中事件を起こして若くして死すこととなる。俗にいう天城山心中というやつ――。まさか、と思うわけです。あれだけ賢く気高い慧生さんが? と。母親を置いて先立つなんて! と。

どうせ男の側に誑かされて心中を迫られ、脅されて嫌々ながらに…などと最初は思っていました。ですが、慧生さんと大久保氏がやり取りしている書簡を見、「あ、こりゃもうだめだ」と思いました。俗っぽい言い方をしちまえば二人は超ラブラブのそれ以上、なわけですよ。二人は互いの家柄が障害となり交際を反対されていたのだが、すでに精神的にはもう結婚したも同然の結びつきを見せている。書簡からは静かなる熱い蜜月の匂いが濃く薫りたってくる。

心中までのいきさつに関しては単なる弾みではなく動機となる事柄があり、解決すべく二人の間で熟考を重ねたようですが、それがかえって二人の硬質な純粋さをより強固なものにしてしまったのかもしれませんね。純粋な愛はもはや天上にしか存在しないのだと。

慧生さんの在学中のお話に遡りますが、同窓生からみた慧生さんというのは学生達の中に慎ましやかに存在していたとしても、やはり独特な気品漂う方であったらしい。だから多くの男子学生が慧生さんの言動に一喜一憂していたようだ。慧生さんが母性を発揮して学生に親切をする。それだけで相手に「僕は好意を持たれている!」と勘違いされてしまう。ああいう方はうかうか人に親切にもできないのでしょうか? 色気抜きな母性のつもりなのにそれが絶大なる効果を発揮してしまう女性(聖女)の苦労…というのはちょっと分かる気がします。

「男どもよ、冷静に周りを見てみたら彼女は誰に対しても分け隔てなく親切に接しているだろうよ、目を覚ませ!」と言って差し上げたい。彼女がもし不美人で、およそ品もない女性であったとしたら母性を見せてもフラフラっとすることはないくせに等とも。

心中は彼らの世間に対する世間への「主張」ですよね。無言で強力なる「主張」。それは幼い頃より抱えていた飢餓感のせいであったか、あなたを恋うる人々の想いのせいであったか、あなたに背負わされた血筋のせいであったのか。でも慧生さん、やはりあなたは若くして旅立つべきではなかった。それは残されたご家族の為に申し上げたい事でありますが、どんなに俗物くさくなったとしても、したたかと言われても、苦しくとも障壁を乗り越えて、この世で生き抜くお二人の愛の形を見せて欲しかったです。それはきっとご両親の愛の形に匹敵するほど、私達のお手本となり永遠の友となったくれたことでしょうから。

すでに叶わぬことなのですが。こういう方ってのは良くも悪くも結果センセーショナルにしか生きられない運命を背負っているのでしょうかね……。

以上、聖女の生涯~を読んでの感想でした…。あれ? 最初とタイトル変わってるしっ!

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