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2009年7月10日 (金)

『蓼喰う虫』を読む

蓼喰う虫 (新潮文庫)

蓼喰う虫 (新潮文庫)

著者:谷崎 潤一郎

蓼喰う虫 (新潮文庫)

蓼喰う虫、を読んだ。

谷崎文学、読みながらまだるっこしさに「ふぁ~」と幽体離脱しそうになるのだが、これは好きだと思った。

本をひっくり返すと書かれあるのこと――耽美的、悪魔的とまでいわれた従来の作品傾向から一転し、日本的女性美や趣味生活に目を向け始めた時期の特異作――と。

確かにちょっと、とっつきやすい??

主人公が妾をつれている義父と愉しむ文楽の場面、特に小春(心中天網島の??)の表現がいい。小春は、ピーターパンに出てくるフェアリー(ティンカーベル??)のようだ、と。元禄のころにいきていたのであろう小春のような女性、そのころの人が理想とする美人は容易に個性を現さず、慎み深い女であったであろう、からこの人形の小春こそ日本人の伝統の中にある「永遠女性」のおもかげではないのか――ちょっと端折りましたけども、いやぁ~シビれちゃいました。

これでどんどん、小春に興味が湧いてきます。

ところで仮面夫婦のように過ごしている主人公と妻。いよいよ別れることを決心して妻の父に告げたものの、説得を試みられるわけですが、父が娘を連れ出すのが京都の老舗、『瓢亭』。おおお~って思いましたよ。このころからあるんだぁ~(って、もっと古くからあるでしょうが…)って感慨深い。この頃の時代の人たちなんだって思うと、登場人物が実に生き生きしてきますよね~

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