2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

ウィジェット

他のアカウント

ホームページ

無料ブログはココログ

info

  • 新規モニター登録

書籍・雑誌

2013年10月31日 (木)

ただそっと、呟きます。

真夏の方程式。※ネタバレします。たぶん、ほぼ前半で犯人と過去の事件の全貌にうすうす勘づいた方は多いと思うけれども。

子供を犯罪の道具に使う大人なんて最低だ。

さらに最低なことに、永遠に口を閉ざすしかないので、そのことで完全な殺意も封印できる。業務上過失致死じゃないですよーこれは。れっきとした殺人罪ですよー。なにちゃっかり言い逃れしてんのー。地方の警察署は真相に迫れない、って馬鹿にしてるってことですか?

殺した相手は善良な市民ですよ。元・由縁のある刑事とはいえ。その方にも家族が居るんですよ。じゃ、もし真相に気付いたその人が復讐に来たらどうすんの?

しかも庇って殺人犯になる大人も馬鹿。

それが本当にその人の為になるとでも思ってるのか? その人が大事な人なら、余計にそんな事をしてはだめです。その人の心に、一生消えない傷となって残るだけ。負い目を負わせるだけ。償う機会さえも奪ってしまって・・・「その人の為」と言い訳した単なる自己満足です。

なんだか最近、こんな内容ばっかだね。湯川先生、どうしたの?

っていう気がする。読後感が悪すぎる。

2012年2月29日 (水)

プリズム、のような人…?【ネタバレあり】

貫井徳郎のプリズムを読んだ。裏表紙にはこのように書かれてあります。ちょっと端折りますけれども。

小学校の女性教師が自宅で死体となって発見された――事故の線も考えられたが、状況は殺人を物語っていた。――彼女の同僚が容疑者として浮かび上がり、事件は容易に解決を迎えるかと思われたが……『慟哭』の作者が本格ミステリの極限に挑んだ衝撃の問題作。

と。だから一体誰が意外な犯人となるのかなぁ~とワクワク(?)しながら読んでいたんですよね。そうしたら最後の最後で、犯人の名前書いてないしっ

ベッドで寝転んで読んでいたのですが転げ落ちそうになりました。“衝撃の問題作”ってそういう意味!? 慟哭がすごくおもしろかったので期待してたんだけどなぁ~

はぁ~フラストレーションが溜っただけでした。

ちなみに表題の『プリズム』とは、被害者である女性教師の内面がプリズムのように様々に瞬いてみえる――っていう意味なのだろうと思うのですが、そんなに綺麗に評するほど魅力的なキャラクターか? と思ってしまう。綺麗な箱と一緒ですよ。しかも空っぽの。

おまけに登場人物もとても微妙。4章から成り立つこの小説は章ごとに登場人物が代わりそれぞれの一人称・視点で語られていく訳ですが、女性教師の教え子の子たちはともかく、同僚にしても元彼にしても勝手に推理して犯人決めつけて自己完結しちゃってるし。本当なら名誉棄損で訴えられてもおかしくないでしょ、こんな人。思い込み激し過ぎ。

それに被害者と不倫関係にあった男なんか、自分のしてきた事を棚に上げて表面上は事件を糾弾する頼もしい人物、みたいになっちゃってるしね。さっさと不倫ばれて離婚されちゃえ、と思う。まったくもってどのキャラにも感情移入できませんでした。

でもふと思ったんです。

ああ、作者は動機が明らかにされて最後に犯人が逮捕されてしまう姿なんて、むしろ描きたくなかったんだろうかなぁ~、と。それは悲しい結末なのだろうと想像するからだ。

しかしやっぱり私は思ってしまう。

殺人事件なんて数学と一緒で答えはひとつなんだからさ、「もったいぶらずに最後まで書けよ、この野郎」と。

だってどんな理由があろうとも、人の命を奪っていい理由なんてないんだもの。情状酌量という部分は確かに失くしてはいけないものだろうとも思う。生育環境だとか精神状態だとか。でもそれは加害・被害者の間に過去に利害関係があった場合のことに限る気がする。

ひどい環境で育ってきました、大人になった今でも周りと打ち解けられず、仕事もうまく行かない、むしゃくしゃしたのでその辺を歩いている人を殺しちゃいました。だってその時は、もう何なんだか分からなくなっていたものですから――なんてことが許されると思います? そんな理由で命を奪われた人と、その人のご遺族の立場になって考えてみなさいよ、と腹が立ってきちゃうんですよね。

だから真実の残酷さも含めて書けばよかったのに、と思う。焦点は「読み手に色々想起させること」じゃなく、犯人はどうしてそこにいたってしまったのか、今後どう償っていくのか――ということに余韻と想像力をふくらまさせて欲しかったなあと思う。

特に私、過去の名作ミステリの手法がどうだったとか謎がどうだとかを語る趣味はないんで。オマージュとか言われても、知らんがなって感じ。

真実はいつもひとつ、ってコナン君も言ってるじゃん。

あ~あ。慟哭は本当におもしろかったのになぁ~残念。

2011年6月 9日 (木)

心を整える。

心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣

買ったきっかけ:
相方が「買って買って」とうるさいので買いました。

感想:
281325503でも読まないので私が代わりに読んでおきました。

このくらい、電車の行き帰りですぐ読めちゃうと思うよ。それ位、良い意味で淡々とした文章だもの。日記を垣間見させてもらってるみたいな、長谷部選手の人となりが伝わってくるような。

私自身スポーツをしないし、サッカーのことはよくわかんないけど、多くのアスリートの精神状態にはとても興味ある。それが一流になればなるほど、目にする機会も多いし。

だからルールが分からないなりに、国際的な試合を見るのはとても好きだったりする。どうやってその、ワールドな大会に臨んでいくのかっていう。

それには学校の勉強ができなくても、ある意味での頭の良さは必要でしょ? なのでしゃべり方がアッタマ悪そうなアスリートはその時点で興味がなくなる。

個人的には奇をてらうタイプの人も、あんま好きじゃないので、地道な長谷部選手には素直に好感を抱いてしまう。けれど、全員がこういう堅実なタイプばかりになってもチームとしては、逆に面白くもくそもないんでしょうね。

気をてらうタイプ…というか…プレーが華やかだとか、かっこつけしいだとか、お調子者だとかっていう人がいるからこそ、みんながキラキラするのでしょうね。

でも、「心を整える」ために自己を統率するのってシンプルなようで難しいんでしょうね~私はムードや楽しいことにはつい流されちゃうタイプだし…ゲームで時間を浪費する時もあるし。ただ群れるのは嫌いだけど。

男の人は社会性の生き物だから。女の私には共感できても、どっかで自分の直感を優先しそう。

昨年のW杯の裏側もちょこっと触れられるので、サッカーファンの方は臨場感を持って楽しめるのかもしれませんね。

おすすめポイント:
本著者の印税は全額、ユニセフを通じて「東日本大震災」支援のため寄付されます。

心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣

著者:長谷部誠

心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣

このミステリーがすごい…の? チーム・バチスタ~

チーム・バチスタの栄光

買ったきっかけ:
ぶっくおふのコーナーにて

感想:
たしか「大どんでん返しの衝撃の結末!!」とかゆ~フレコミがあった気がするんだが、読み終わってみれば、「……どこが?」って感じだったんですが。

ごめん。きっと私の読んだ時期が悪かったんだと思う もっとちゃんと初版の時にま~っさらな気持ちで読んでいたら普通のミステリーとしてはおもしろかった、かも、しれない。うんうん。

ただ……回りくどい言い回しを整理すれば文庫本を何も上下巻に分けなくても1巻の本に収まったんじゃないかって気がしなくもないんですが。

「気障を絵に描いたようなヤツ(気に障ると書いてキザと読む)。」

だから? って感じなんですが。

何だろう、これは「言い得て妙だろう?」って言いたかったのでしょうかね? っていうかそれがそもそも熟語の成り立ちというものだよね……ていうツッコミどころが満載。こういうのが随所に差し挟まれてるため、非常に文章のリズムが悪くて息が切れそうになるんだよなぁ~

あとこの文章内のタイトルの一個一個のデザインがうざい。こういうのは表題近くだけでいんじゃない? いちいち演出過剰なんですよね。下巻にようやく白鳥さんを登場させたりとか。その勿体ぶり演出の為に2冊にわけたんでしょ? しかもコイツが気持ち悪いキャラこの上ないし。そういう設定なんでしょうけど、これも演出過剰なため設定以上のキモさになってる。

田口先生のキャラは確かに素敵ですけどね。藤原さんとのやりとりも確かにいい感じだし。

作者が理系の方だから肌に合わないんだろうか……? それとも宝ジマ社さんの傾向が……私の……肌にあわ……

話題性を先行させようとする匂いがぷんぷんしてたぶん、無理。変な演出がなくさら~っと書いてくれたら好きになれたのに。この方のものはもう読まないだろうなぁ~

おすすめポイント:

チーム・バチスタの栄光

著者:海堂 尊

チーム・バチスタの栄光

そのときは彼によろしく!!

そのときは彼によろしく (小学館文庫)

買ったきっかけ:
ぶっくおふのコーナーで

感想:
作家さんの作りだす作品のイメージ → 繊細そうな人たちが紡ぐお話? 心がむき出しにひん剥かれて傷ついてしまうかも? 泣ける話??

と、最初はすごく警戒しながら読んでいたんだけれども……存外笑ってしまったよ!

主要キャラ3人が出てくる頃にはすっかり警戒心を解いて引き込まれてしまったし。この頃の、14歳くらいの子たちの感性ってなんてキラキラしていて、痛々しいんだろうね。

人間って大人になるにつれて汚れていくけれど、それは「折り合いをつける」ことが出来るようになるとか、角が取れてくるとか、そいうった意味も含めてだけど、どんなに歳をとっても心はここら辺に居る気がする。

自分にとって心がそこに立ち返ってしまう年齢(青春って意味だけど)に聴いた音楽とか、見た映画とか、読んだ映画とか、好きだった洋服とか、のちの人間形成に大きく関係しているでしょ。多かれ少なかれ。人の心って面白いね。実年齢と歳の取り方が違うんですよね。

ストーリーは、伏線が複雑に入り乱れているということもなく、いたってシンプルで分かりやすい。登場人物も適量で「きれい過ぎでしょ」というきらいはある気がするけど、みな魅力的だった。全体的にぶれることなくまとまっている感じ。ちょっとラストがそつな過ぎたけど。ま、私はどんでん返しの無茶苦茶なラストとかだと精神的に後を引くので、これはこうでなくてはいけなかったと思うけれど。

ただちょっと目を細めてうやむやに読んでしまったシーンはあった。個人的に弱いものが暴力で傷つけられるシーンは、たとえ創作でも本気でムカついてしまうのですよね。そのキャラ自体が許せなくなるのでもっと過酷に復讐してくれてよかったのに。それこそ創作なんだから、とか思ってみちゃったり。

でもやっぱ10代後半~20台前半の読み物ですよね、これは。読んでいて頭痛くなる小説嫌いな人なら何歳になっても面白いでしょうけど。お風呂で読みながら~とか旅先で~とかに向いてる。至ってシンプルなさらっとしたファンタジーだから、質のいい絵本を読んだ気分です。なんかこう、浮かんでくる情景が痛々しいけれど綺麗。

おすすめポイント:
主人公、智史のお父さんが素敵。

そのときは彼によろしく (小学館文庫)

著者:市川 拓司

そのときは彼によろしく (小学館文庫)

2010年9月 8日 (水)

殺人症候群

表題にドキリとしません? それで手に取ってしまいました。

内容は色んな理由で殺人が行われていく話で、そのうちに登場人物、事件が複雑に絡んでいくんですが、この方、お得意の…(なのか?)別々の挿話が同時進行していくので、最初、その全貌を掴むのに苦労しました。時系がね…感覚として掴めにくいというか。

キャラクターがいろんな方面から描かれるから、なかなか人物像がひとつにならないし。こことここが繋がるのかな? と思ったら違ったりして、疲れました。凝りすぎ?

途中からはまぁ何とかついていけましたが。

象徴的な事件としては、未成年の起こす事件と、被害者家族の復讐心と、その復讐に代わって成敗という名の殺人が行われることと、臓器提供を待つ息子のためにドナーになりうる人物を事故に見せかけて殺人を犯す母親と…あれ? 内容書き過ぎか? これ?

この小説のすごいところはどんな理由であれ、殺人は許されるものではないってことがちゃんと描かれていることだ。それが、被害者家族の復讐であっても、ね。どんな形であっても“殺人者”は、最後に碌な死に方をしないっていうことです。畳の上で安穏と死ねると思うなよ、と。

なんか~たまによくあるじゃん、“殺されてもしょうがない人を成敗(暗殺)するっていう、殺人を美化したような”ドラマ。

必要悪っていう場合もあるけどさ、そういうのとは違うよ。そういう安っぽい感じじゃなくて、読み応えがあったなと。

そりゃ、“必殺仕事人”みたいなのは別ですよ。暴れん坊将軍とか鬼平とかはね。時代設定がそういう時代だし。でもねぇ~、現代の設定でそういうのは安っぽいにもほどがある。

悲しかったのは未成年の起こした殺人で、加害者の親が被害者に謝罪もなく「私たちも被害者なんです」と言い放つところ。「は?」じゃないですか? そりゃね、戸惑うと思いますよ。家族が急に事件の加害者になったりしたら、動揺はするだろうと思います。でもさぁ~冷静になった時、未成年者の起こした事の責任は親が負う責任があるってことを忘れんなって感じです。実際に、こういう話、多いんでしょうね。

被害者や被害者家族がさらに傷つけられるということ。

そりゃね、一方的に加害者だけが悪いってことばかりもない場合もあるでしょうよ。被害者側に非がある場合もあるでしょう。でも、それがでっち上げだった場合…どうします? でっち上げをマスコミに売る、それが報道される。場合によっては面白がって誇張して書く輩もいるでしょう。でも、一回表に出てしまった情報は、後から「それは誤報です」って言っても、もう遅いんですよね。実しやかな情報として浸透してしまう…。

「お金が欲しいから裁判起こすんでしょ?」っていう方が、たまにいるそうですが、悲しいね。こういう形で被害者を傷つける行為をする人が居るということ。実際、聞いたの? そう、呟くのをお聞きになったのですか?

色んな見方、とらえ方、表現の仕方は人それぞれ自由ではあるだろうけれども、結局…どういう形であれ、人を傷つけるとそのしっぺ返しが自分に帰ってくるんだと思う。それは、自分に対しても戒めの意味で言いますが。

人に優しくできないとき、自分にそう言い聞かせたいと思います。

殺人症候群 (双葉文庫) Book 殺人症候群 (双葉文庫)

著者:貫井 徳郎
販売元:双葉社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2010年9月 1日 (水)

流星の絆

書籍の映像化は見ない主義なんですけどね、 イメージが壊れると嫌だから。でも読むときにすでに映像化されていたりすると、どんな配役か、くらいは頭に入っちゃってるわけで……。しかも本にはご丁寧にドラマ宣伝用の帯がかかっていたりするわけで……。

けど、これは割りと読みながら念頭にある俳優さんに違和感がなかった気がする。

特に静奈。個人的には一番、イメージしやすかったな。立場的に末っ子で、可愛がられてて、少し陰があって、怖いもの知らずで、気が強くって…っていう。でも外観だけは清楚なお嬢様然としてるというか。兄ちゃんたちも、ニノとか、ムリがなくキャラが置き換えやすかった。

流星の絆 Book 流星の絆

著者:東野 圭吾
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

ページが残り少なくなってきた頃、これ、どうなっちゃうんだろう~収拾つくのかな? やだな~と思ってハラハラした。後読感悪いとヤじゃん。その後、眠れなくなっちゃうもん。目覚めも悪くなるしさ。

でも、やっぱ上手いねぇ~東野圭吾さん。ぴったりとピースが収まるところに収まった感じだったよ。個人的にはそう思った。良かったね、アイツ、いいやつで。

あとは、手が…震えてしまった。最初に読んだ作品の「わ~やられた」感を思い出しましたから。やっぱり、最初に不信に思ったところは…ずーっと……うん。直観を信じていいんだと思う。だってフツ~現場でアレ、やる? 不謹慎だよねぇ?

2010年8月30日 (月)

加賀さんがぁ~(01.02.10分の更改)

阿部寛さんでドラマ化なんだって。イメージ的に…どうなんだろうねぇ?

新参者 Book 新参者

著者:東野 圭吾
販売元:講談社
発売日:2009/09/18
Amazon.co.jpで詳細を確認する

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

東野圭吾作品で一番好きなキャラクターは加賀恭一郎。剣士好きなんです、私。

故に、あんまりイメージを壊されたくないのだった。まなざしが優しい感じ、…それはちょっと、分かる気がする。あと背が高いところも…イメージとしては合ってるのかなぁ?

が、顔が濃すぎな気もするんですけど。

加賀恭一郎は胴着が似合う精悍な顔であって欲しいんだけどなぁ。あ、でも少尉の役をやったことがあるわけだし、精悍といえなくもないのか。じゃあ合ってるのか。けど少尉はハーフだもんね。いやいやいや、もっと和風な顔の方が…。決して嫌いな俳優さんではないが。見る前から文句言うなっちゅうのね。見ないけどね。イメージが壊れるのがいやだから。

小説の映像化は小説家自身が監督を務める…とかじゃない限り、世界がぶっ壊されるので、まったく別物にされてしまうので、嫌い。くだらないポリシーだが、見ないけどね。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

で、その前にまだ小説読んでもいなかったのだが、(やや)新作を取り溜めておいたのを、ようやく夏休みに読みまくりました。

加賀さんに下町は似合わないなぁ~と思っていたけど、読み進めるにつれてだんだん町にも人にも馴染んでいくね。精悍さがなくなっちゃったのかなぁ~とちょっと寂しくも感じたけれど、それが加賀さんなりの優しさだったんだ、と。

でもちょっと、歳とりました? 青年臭さがなくなってきてる。立ち止っていないってことなのでしょうが。こじれていた人間関係、何かきっかけを与えてあげれば、ぎくしゃくしてた歯車がスルスルと回りだす。そういう優しさに変わったんですね、きっと。

ちょっと最後、せつないですが、ドン吉の散歩道を辿ってみたくなりました。

ところで加賀さんの恋はどうなるんだろうね。

2009年7月10日 (金)

『蓼喰う虫』を読む

蓼喰う虫 (新潮文庫)

蓼喰う虫 (新潮文庫)

著者:谷崎 潤一郎

蓼喰う虫 (新潮文庫)

蓼喰う虫、を読んだ。

谷崎文学、読みながらまだるっこしさに「ふぁ~」と幽体離脱しそうになるのだが、これは好きだと思った。

本をひっくり返すと書かれあるのこと――耽美的、悪魔的とまでいわれた従来の作品傾向から一転し、日本的女性美や趣味生活に目を向け始めた時期の特異作――と。

確かにちょっと、とっつきやすい??

主人公が妾をつれている義父と愉しむ文楽の場面、特に小春(心中天網島の??)の表現がいい。小春は、ピーターパンに出てくるフェアリー(ティンカーベル??)のようだ、と。元禄のころにいきていたのであろう小春のような女性、そのころの人が理想とする美人は容易に個性を現さず、慎み深い女であったであろう、からこの人形の小春こそ日本人の伝統の中にある「永遠女性」のおもかげではないのか――ちょっと端折りましたけども、いやぁ~シビれちゃいました。

これでどんどん、小春に興味が湧いてきます。

ところで仮面夫婦のように過ごしている主人公と妻。いよいよ別れることを決心して妻の父に告げたものの、説得を試みられるわけですが、父が娘を連れ出すのが京都の老舗、『瓢亭』。おおお~って思いましたよ。このころからあるんだぁ~(って、もっと古くからあるでしょうが…)って感慨深い。この頃の時代の人たちなんだって思うと、登場人物が実に生き生きしてきますよね~

2009年1月21日 (水)

巨匠・松本2代表作

「推理小説好き」と公言していながら松本清張で腰を据えて読んだ記憶があるのって、『黒革の手帖』くらい…ってありえねぇだろ、みたいな。

で、取り急ぎ手にしたのが『点と線』と『ゼロの焦点』

点と線 (新潮文庫)――を読み進めていくうち、話の展開にわくわくしながらも悲しい想いが胸に去来した。なぜならこの作品で有名なアリバイトリックは、この情報過多で便利な世界に生きている私たちにとっては易々と思いついてしまうであろうからくりだからだ。たぶん、皆がおよそ想像したとおりに話が進んでしまうであろう。そんな現実が悲しかった。

だからこそ、当時、こんな方法を投げかけられた読書はどんな風にこの本を読んだのだろうか、という思いをめぐらせると楽しい。目を丸くしたのかな? 度肝を抜かれた感じ? そういう意味では、“社会派ミステリー”の一番最初の原点を「あ~私はいま手にしているんだなぁ」っていう感慨はある。ここが出発点となって派生していったものがたくさんあるんだろうなぁ~と。

小説の舞台背景は古くはある、(主な連絡手段として“電報”が用いられていたりするので。今なら家電、携帯、メールなどで事が済んじゃうものね)けれど、読んでいてそれほど古臭くも感じないところが不思議だ。それも登場人物が生き生きとしていて魅力あるからかもしれない。

特に三原警部補と鳥飼重太郎との書簡のやり取りが、いい。丁寧過ぎるほど丁寧で長ったらしくはあるのだが、互いの立場と年齢差をも超えた妙な親しみ、情を感じるし、後に残る余韻も深い。

点と線 (新潮文庫)

著者:松本 清張

点と線 (新潮文庫)

ゼロの焦点 (新潮文庫)

お次はこっち。こちらは最初から不気味です。なにしろ新婚一週間で夫が失踪しちゃうんですから。おまけに失踪の真相がなんにも想像つかないまま、怪しい行動が露呈するばかりで、解決の芽を先に先に摘ままれるように、どんどん人が死んでっちゃうんですから。

周りは一見、親切な人ばかりだが、疑えば誰もかれもがどこか怪しい。もう主人公とともに誰を信用していいのか、分からなっちゃった。

途中から、さすがに疑うべき人は一人だと気づくわけですが、(あっだから“焦点”なのか?) そこにたどり着くまでは相当な疑心暗鬼になりました。冷静に考えれば、誰を疑うべきかもっと早くに想像できそうなものですけどね、かき回されたな~おもろかった。

ゼロの焦点 (新潮文庫)

著者:松本 清張

ゼロの焦点 (新潮文庫)